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2013/04/25 (Thu)                  True Answers ラウィス ストーリー 6(終)

 ラウィスが意識を取り戻したのは、空が白み始めた夜明け近くだった。見知らぬ街道脇の木の下で、膝を抱えて眠っていた。
 身体を起こすと、両手の平をゆっくりと広げ、その上に恐る恐る視線を落とす。
「……ああ……」
 夢じゃない。これは現実なんだ。夢じゃないんだ。
 手の平が、乾いて褐色になった血にまみれている。服に視線を移すと、同じように褐色に染まっていた。
 はっきりと記憶の中に残されたヴィジョン。血と、焼け焦げる匂い。
「僕が……僕が」
 


 その先は、言葉にならなかった。涙が頬を伝い、あとからあとから流れ落ちていく。
(僕が、殺した)
 ありありと脳裏に焼き付いている。もうひとりの自分が、兄の首をはね、父親を消し去ってしまったこと。それを止められなかった自分。泣き叫んでも、何の意味もなかった。
 内側から、もうひとりの自分の視界を通じて見ることの出来た恐ろしい場面。――いや、見せられていた?
(悪いのは、僕だ)
 もうひとりの自分、“ラウィス”を創りだしてしまったのは、自分自身なのだから。
 何で、あんなことになってしまったのだろう? 殺したいと思ったことなんてなかった。そんなこと、思っていなかったんだ。
 だけど。
 ――本当に?
 ラウィスは涙で霞んだ視界を、ぼんやりと真正面に向けた。そこには何もない。語りかけてくれるものも、話を聞いてくれるものも。そんなもの、今までだって、何処にもいなかった。
 本当に? 本当に?
 頭をもたげる、ふつふつと湧いてきた疑問。問いかけの声。
(本当だよ、僕は、殺したいなんて)
 否定しようとする自分。悪いのは僕、でもこんなつもりじゃなかった。
 ――それならどうして、彼らは殺されたの。
 いつかきっと上手くいくと思っていた。幸せって感じられる日が来ると思っていた。
 だから、ずっと悪い感情を押し殺してきたんだよ。
 わかっている。すべてが根本から、狂っていたんだ。
(何で、僕はここに生きているの)
 死んでしまいたい。血にまみれた服も、繰り返し脳裏に映し出されるヴィジョンも、すべて捨てて逃げ出したい。
 許されるのか? 果たして、それは。
 自らの死が、償いになり得るのか? 自分はそんなにも価値のある人間なのだろうか?
 自問。――ラウィスは俯き、頭を振った。
(今はまだ生きて、償わなくちゃいけないんだ……)
 罪を背負って生き、償いを探さなくてはいけない。死ぬのは、逃避に過ぎないだろう。それに死のうとしたところで、もうひとりの自分がそれを許してくれるはずもない。
 常につきまとう、重く苦しい罪悪感。それは当然の報いだ。
(ごめんなさい)
 涙がまた、頬を伝っていった。
(ごめんなさい……父さん、皆)
 罪深きこの自分を、許してくれなんて、とても言えない。
(ごめんなさい……)
 もう戻れない。血のつながった家族は、この世から消えてしまった。
(母さん)
 運命は、再び回り始めてしまった。
 もう、止まらない。
 最後の時まで。


 歴史は、いずれ繰り返す。
 かつて地界を統治し、良き方向へと導いていた導者、レフィカは、再び今生に生まれ変わり、決戦の時を待つ。
 今生での彼の名を、ラウィス・スリンクスという。
 今は己の運命を知らずとも、いずれ、必ず――。

 選ばれし者は、その身に余るほどの大きなる因果を負い、
 この世界に生まれてきた。

 いつしか理解する時が来るだろう。
 自分が、真に何者であるかが。


END

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おー
ラウィス達をしってるだけに頭の中で漫画化しながら読んでたよ


ヽ(*^-^*)ノ


ラウィスの我慢を溜め込んできた結果がこうなったんだぁ


(p´д`q)゜。゜。


兄さんも父さんも自業自得だぁ。


(p´д`q)゜。゜。


ラウィス頑張っていたのに…


(ノ_<。)


いつか幸せになれる日がくると信じてたのに


お父さんや兄達に褒められる日がくると信じてたのに


ラウィス可愛いのに


(p´д`q)゜。゜。


冷酷ラウィス


星夜ちゃんのイラストで見たいぞ


( ̄ー+ ̄)キラーン。


(笑)


あっぴ 2013/05/08(Wed)12:04:23 編集
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