[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ということで、カラーにしてみました。
アンナです。
時間がないのでささっと塗っただけですが。
こんな感じにイメージしてもらえたらなーと思います。
ほんとはもっと茶色っぽい髪色なんだけど、失敗しましたー。。
でも直す時間がないのでこのまま。すみません。。。
しかも携帯から見たら、色の数が少なくて超金髪になっとる!!
アンナは金髪じゃないですー、携帯から見た方、ごめんなさい!!
パソコンからだともうちょっと違う色、の、ハズ。。。
あ、あんまり変わらないかな。。
うう、失敗した。。
ついつい夢中になってしまって、気がついたらこんな時間に;;;
明日仕事なんだから、もう寝なきゃー!
でもいいストレス解消になりました☆
レニウムはアンナの右肩から手を離し、拳を作って天高く突き上げた。
「じいさんが描くのか? これ使って?」
「そうとも。たまにこうしてこの広場まで描きに来る」
「へえ、描くってどうやるんだ?」
「ん? おまえさんも描いてみるか?」
その言葉に、イングリットはきょとんとする。
「俺が? 何を?」
老人はまるで孫を見るような柔らかな微笑みをイングリットに向けて、
「なんだっていい。好きなものを描けばいい」
イングリットはそう言われて、少し考えた。好きなもの。好きなものってなんだろう。
「……じいさんの好きなものってなんだ?」
「この町の景色ならすべて好きだよ。だからこうして描いて、出来上がったら欲しいと思ってくれる誰かに貰ってもらうのさ」
老人は鞄の中から鉛筆を取り出して、紙の上に滑らせ始めた。その目は真っ直ぐに、広場の中央にある噴水をとらえている。
「貰ってもらう? じいさんはそれが好きなのか」
「そう。わしの絵をみて喜んでもらうのが一番好きだがね」
老人のその言葉に、イングリットはぴくりと反応した。
「よころんでもらえるのか、絵を描くと。俺でも、よろこんでもらえるのか?」
イングリットを見やった老人は、その真剣な眼差しを眩しがるように目を細めた。
「喜んでもらえるさ。おまえさんが心を込めて描けば」
「そうか、じゃあ俺も描く!」
ぱっと顔を輝かせたイングリットがそう決意すると、老人はまた笑って、紙を半分に切って分けてくれた。そして鞄を画板に見立てるように言い、絵の具も好きに使っていいと言ってくれた。
もくもくと手を動かすイングリットの横で、老人はゆったりと鉛筆を動かす。穏やかで不思議な時間が流れていく。
やがて日も傾きはじめ、老人は見事な噴水の絵を描き終えると地べたに座り込んで絵を描いているイングリットを見やった。少年は気難しげに眉をひそめ、紙を睨むように見つめたままうーむと頭を抱えている。もう何枚も失敗して描き直しているのだが、やはり何か納得がいかないようだ。
「また失敗か?」
尋ねられると、イングリットは無言で頷いた。
(なにか足りないんだよな……)
色も塗り終えたしもう完成にしてもいいのだけれど、まだもう少し手を加えたい。しかし何を加えたらいいのかわからない。
「初めての割には、やけにこだわるな」
老人が苦笑しながら言ったその時、広場を二人の少女が通りかかった。
「ん」
きゃっきゃとはしゃぐ声が耳について、思わず少女の方に目を向ける。
「ねえ、見て。このブローチ、お母さんに借りてきたの」
「わあ、可愛い!」
「天使の羽根がモチーフなんだって」
「へえ、すごく細かい。よく出来てるねー」
そんな会話が耳に入ってくる。
(はね……)
そう心の中で反芻してみたその時、脳裏にぱっと、ある光景が浮かんだ。
(そうだ)
あの時。
手を離した瞬間、羽ばたく翼。ーーひらひらと舞う白い羽根。
「あれだ!」
突然そう声を張り上げて立ち上がったイングリットを、驚いて老人が見上げた。
「なんだ、びっくりさせおって」
しかしその声はイングリットの耳には届かなかったようで、
「探しに行ってくる!」
と言い残し、絵を持ったまま広場から飛び出してしまった。それはあっという間の出来事で、どこに行くのかと尋ねる暇もなかった。
ぽつんとひとりきりになった老人は帽子を取り、あらわになったつるつるの頭皮をぽりぽりと掻く。
「やれやれ、忙しいやつめ」
それから、くすりと笑った。
「名前のひとつくらい、教えてから行けばいいものを」