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創作をするにあたり、モチベーションを保つことを目的として。
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2009/03/18 (Wed)                  イラスト
イラスト描いてみました。
今、旬な(笑)ふたり。

レニウムとアンナです。
こんな感じです。
うう、レニィはもっと男前なのになあ!
かっこよくかけません。。
難ちい。



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2009/03/18 (Wed)                  レニウムのハッピーバースデイ! 06
 空に星がちらちらと瞬きはじめた頃、ようやく一通りの準備を終えたアンナが、仁王立ちしたまま一息ついた。目の前のテーブルには鳥の丸焼きやクリームシチュー、サンドイッチにマッシュポテトなど、それなりに豪勢な料理がずらりと並ぶ。もちろんたっぷりの生クリームに苺を惜しみなく乗せたホールケーキも忘れていない。ケーキも手作りしたため形は少し、いやだいぶいびつだが、愛情はあふれるほど詰まっているので問題ないだろう。家の中もピカピカで、眩しいくらいだと自分では思っている。
「うん。我ながら、よくやったと思うわ」
 アンナは感慨深げに、ひとりうんうんと頷いた。ばたばたと忙しなく家中動き回ったせいで、髪や服がところどころ乱れている。そんな自分の姿に気づき手鏡を使って髪を整えながら、アンナはイライラした口調で言った。
「それにしても、あのバカは一体どこをほっつき歩いてんのよ」
 あのバカとは、もちろん自分が家から追い出したイングリットのことである。
「早くしないと、せっかく作ったご馳走が冷めちゃうじゃない」
 一通り身だしなみのチェックを終え、アンナは窓の外に目を凝らしてみる。まさかいじけて家の中に入ってこないのではと思ったが、人影は見あたらない。
「まったく、世話が焼けるわね。ほんとはレニィとふたりでお祝いしたいけど、そうするとレニィが気にするだろうし、外で誰かに迷惑かけてるかもしれないし………なにか、トラブルに巻き込まれてるのかも、しれないし……」
 だんだん深刻な表情になりながらぶつぶつ呟き、アンナはリビングの扉を押し開く。その時、「それに料理が余っちゃったらもったいないしね」と誰に言うでもなく付け加えるのも忘れずに。
「レニィ」
 レニウムの自室の扉をコンコンとノックすると、中から穏やかな声が返ってくる。この声が、アンナは大好きだ。
「どうぞ」
 カチャリという音と共に、扉の隙間から顔をひょこりと覗かせる。レニウムは椅子に座って本を読んでいた。アンナの方へと顔を向ける動作にあわせて長い黒髪がさらさらと肩から流れ落ち、すらりと長い足を組んで背もたれに身体を預けているその姿に、目を見張らずにはいられない。普段脳天気な言動をしている人物とはまったくの別人なのではないかと思わせるほど、目の前にいる彼は透明感のある大人の色気を醸し出しているのだ。
「あ、あのね、もう出てきてもいいんだけど」
「掃除は終わったの? ありがとう」
 言いながらにっこりと笑顔を向けられて、アンナは思わず顔を赤らめた。
「うん、あの、あたしのほうは終わったんだけど、まだイングリットが」
「イングリットが?」
「帰ってないの。だからあたし、捜しに行ってくるから」
 レニウムはその言葉を聞いて、すっと立ち上がった。
「女の子をこんな時間にひとりで外に出すわけにはいかないよ。わたしが行ってくる」
「え、でも」
 なんだか真剣な眼差しに、アンナはどきまぎした。見つめ返せば、涼やかな切れ長の目の凛々しさに、思わず目をそらしたくなってしまう。どうしたんだろう、いつものレニウムじゃないみたいだ。
「でも、今日はレニィにゆっくりしててもらいたいから、あたしが……」
「心配しないで」
 レニウムはアンナに近づき、その両肩にふわりと手を置いた。思わぬ事態に、アンナはびくっと身をこわばらせる。
「君を危険な目に逢わせるわけにはいかないんだ。……ひとりの男として」
 その薄い唇から言葉と共にこぼれ落ちる吐息が、頬をかすめて熱い。それほどに、ふたりの距離は近くて。――近くて。
「あ、あの、レニィ、そんないきなり、まだあたし心の準備が」
 やっとの思いで喉の奥から絞り出したアンナのその声は震えていて、消え入りそうにか細い。
(どうしようどうしよう、レニィったらもしかしてあたしのこと……)
 乙女の胸は、期待と不安で今にも破裂してしまいそう。ああ、そんな熱っぽい目で見つめないで。その瞳の光は、きっとあたしを狂わせるの。
「でも、レニィが望むなら、今すぐにあたし……」
 そう言って、アンナはおもむろに目を閉じる。このまま、もうどうなってもいいと思った。世界が終わっても、この瞬間は永遠だと信じられるほどに。
「ああ」
 レニウムの言葉は力強く、まるでおとぎ話の勇者様のよう。
「この手で必ず連れ戻してみせる。麗しの、イングリット姫を……!」
「ええ、連れ戻して、イングリット姫を……って」
 そこでアンナは、はっと我に返った。――今、なんて言った? 姫? 誰が?
「はあっ!?」
 軽くパニックに陥りそうになるアンナに気づきもせず、レニウムは今までのシリアスな表情をあくまでも貫き通したまま、
「そうだ! あの汚らわしい悪の化身に姫は渡さない!」
 レニウムはアンナの右肩から手を離し、拳を作って天高く突き上げた。
「いざ行かん、邪悪なる者の集う暗黒の城まで! おーっ!」
 何だか頭痛がしてきたアンナは、もうこの言葉しか言えない。他に気の利いた台詞など思いつかない。
「なにが……!?
2009/03/17 (Tue)                  一大事!
菜の花が!
菜の花が食べたい!
食ーべーたーいーよー!!

ということで、今日は菜の花を買って帰ります宣言です!
普段料理なぞまったくしないあたしですが(好きな男にまで作らせる始末)、菜の花料理を作る気になってきましたよ!
まっ、珍しいっ(きゃっ☆)
今日は早く帰れたしね!
(帰宅中~)
お腹がすいたけど、我慢して作るのだーっ
だから帰りにスーパー寄らなきゃなんだよー!
すげー!
『帰りにスーパー』だって!
『帰りにスーパー』!
なんかオトナの女ってカンジじゃんねーーうししし。

あー……
ちょっとドキドキしてきたーーー!!
もう一大事!
スーパー寄って帰るだけで!
(全国の主婦のみなさん、ごめんなせいっ)
2009/03/16 (Mon)                  レニウムのハッピーバースデイ! 05

 「じいさんが描くのか? これ使って?」
「そうとも。たまにこうしてこの広場まで描きに来る」
「へえ、描くってどうやるんだ?」
「ん? おまえさんも描いてみるか?」
 その言葉に、イングリットはきょとんとする。
「俺が? 何を?」
 老人はまるで孫を見るような柔らかな微笑みをイングリットに向けて、
「なんだっていい。好きなものを描けばいい」
 イングリットはそう言われて、少し考えた。好きなもの。好きなものってなんだろう。
「……じいさんの好きなものってなんだ?」
「この町の景色ならすべて好きだよ。だからこうして描いて、出来上がったら欲しいと思ってくれる誰かに貰ってもらうのさ」
 老人は鞄の中から鉛筆を取り出して、紙の上に滑らせ始めた。その目は真っ直ぐに、広場の中央にある噴水をとらえている。
「貰ってもらう? じいさんはそれが好きなのか」
「そう。わしの絵をみて喜んでもらうのが一番好きだがね」
 老人のその言葉に、イングリットはぴくりと反応した。
「よころんでもらえるのか、絵を描くと。俺でも、よろこんでもらえるのか?」
 イングリットを見やった老人は、その真剣な眼差しを眩しがるように目を細めた。
「喜んでもらえるさ。おまえさんが心を込めて描けば」
「そうか、じゃあ俺も描く!」
 ぱっと顔を輝かせたイングリットがそう決意すると、老人はまた笑って、紙を半分に切って分けてくれた。そして鞄を画板に見立てるように言い、絵の具も好きに使っていいと言ってくれた。
 もくもくと手を動かすイングリットの横で、老人はゆったりと鉛筆を動かす。穏やかで不思議な時間が流れていく。
 やがて日も傾きはじめ、老人は見事な噴水の絵を描き終えると地べたに座り込んで絵を描いているイングリットを見やった。少年は気難しげに眉をひそめ、紙を睨むように見つめたままうーむと頭を抱えている。もう何枚も失敗して描き直しているのだが、やはり何か納得がいかないようだ。
「また失敗か?」
 尋ねられると、イングリットは無言で頷いた。
(なにか足りないんだよな……)
 色も塗り終えたしもう完成にしてもいいのだけれど、まだもう少し手を加えたい。しかし何を加えたらいいのかわからない。
「初めての割には、やけにこだわるな」
 老人が苦笑しながら言ったその時、広場を二人の少女が通りかかった。
「ん」
 きゃっきゃとはしゃぐ声が耳について、思わず少女の方に目を向ける。
「ねえ、見て。このブローチ、お母さんに借りてきたの」
「わあ、可愛い!」
「天使の羽根がモチーフなんだって」
「へえ、すごく細かい。よく出来てるねー」
 そんな会話が耳に入ってくる。
(はね……)
 そう心の中で反芻してみたその時、脳裏にぱっと、ある光景が浮かんだ。
(そうだ)
 あの時。
 手を離した瞬間、羽ばたく翼。ーーひらひらと舞う白い羽根。
「あれだ!」
 突然そう声を張り上げて立ち上がったイングリットを、驚いて老人が見上げた。
「なんだ、びっくりさせおって」
 しかしその声はイングリットの耳には届かなかったようで、
「探しに行ってくる!」
 と言い残し、絵を持ったまま広場から飛び出してしまった。それはあっという間の出来事で、どこに行くのかと尋ねる暇もなかった。
 ぽつんとひとりきりになった老人は帽子を取り、あらわになったつるつるの頭皮をぽりぽりと掻く。
「やれやれ、忙しいやつめ」
 それから、くすりと笑った。
「名前のひとつくらい、教えてから行けばいいものを」

2009/03/13 (Fri)                  レニウムのハッピーバースデイ! 04
 イングリットは、町の中心部にある噴水広場までやっ来ていた。そして何やら、その噴水の水を飲む猫の、丸くなった背中に声を掛けている。
「おまえ、今日“だんじょうび”か?」
 気配を消していたイングリットの突然の声に驚いて、猫は後ろを振り返る。そして真剣すぎて恐ろしい目つきになったイングリットを見て慌てて逃げ出した。
「む、違うのか……」
 走り去っていく猫の後ろ姿を見つめながら、ぽつりと呟く。
 それからイングリットは、目に付くものに片っ端から声を掛けまくった。木の葉の上の芋虫や石の下ダンゴ虫に、通りかかった散歩中の犬やら噴水のてっぺんに立っている女神の像にまで。
「おまえ、今日“だんじょうび”か?」
 何度目かのその台詞は、両手でがっちりと身体を押さえつけられている鳩の頭上から注がれた。しかし鳩は当然のごとく、何も答えてはくれない。それどころか明らかに怯えてそわそわしてすらいる。何だか可哀想だ。
 しばらく捕らえた鳩をじっと観察していたイングリットだが、期待とは裏腹に一向に何も言おうとしないため、仕方なく解放してやった。鳩は手を離されるとすぐさま翼を上下に動かして、ばさばさと慌ただしく飛んでいった。抜け落ちた羽根がひらひらと舞う。
「………」
 空の彼方へ消えてゆく鳩を無言で見送ってから、イングリットは視線を地面に落としてため息をついた。と、その時――
「今日は鳩が見あたらんと思うたら……」
「?」
 背後から聞こえてきたしゃがれた老人の声に、イングリットは振り向いた。
「おまえさんの仕業だったか」
 そこにいたのは、頭の上にちょこんと深緑色の丸い帽子をのせた、小柄な老人だった。その身長は、イングリットの頭ひとつと半分ほど低いくらいだろうか。老人は白く長い眉毛の下に隠れるようにして存在する目を細めて、イングリットをにこにこ見つめている。
(なんだ、このヒゲジジイは)
 訝しげに眉をひそめるイングリットがそう思った通り、老人の口元は豊かな白髭に覆われていて見えない。
「ほっほ、素直な少年よ。思うていることが手に取るようにわかるぞ」
「な、なんだと!?
 読心術か、とイングリットは反射的に警戒して神経を研ぎすませた。
「そう身構えるでない。おまえさんの顔に書いてあろうが。『なんだ、この……イカしたヒゲジジイは』とな」
「なんか違うぞ! だいぶ違ってるぞ!!
 思わずツッコむと、老人は髭をさすりさすり笑った。
「はて、そのはずだがなあ」
「……むぅ……」
 なんだ、こいつは。本当に。刺客か何かか? いや、それにしては隙が多すぎる。イングリットがぐるぐると考えていると、老人は再び口を開いた。
「人間素直が一番。それにおまえさんはなかなか見る目もあるようだ。わしはイカすものな、若者にはまだまだ負けんわ」
 そしてそれだけ言い終わると、老人はくるりときびすを返して広場の端に設置されている木のベンチの方へと歩いていく。イングリットはその背中に向けて小さく言った。
「だから違うっての。それに……俺は」
(人間じゃないしな)
 そう思ったら、少し心に北風が吹いた気がした。なんだか寂しい。それがどうしてだかは、わからないけれど。
「ん?」
 物音がしてふと目を向けると、先ほどの老人がベンチに座って何かを組み立てている。木の棒が何本かくっついて、細長い三角形になっている、見たことのないものだ。座った老人よりも大きい。そしてよく見ると、ベンチの横には老人の荷物らしき四角い鞄も置いてある。とすると、わざわざあそこに荷物を置いてから、イングリット近づいて話しかけてきたということだ。
 物好きな老人だな、と思いながら、観察してみる。何をしているのか、気になって仕方がない。
(なんだ、アレ?)
 その視線に気がついた老人が、イングリットを手招きした。どうしようかと迷ったが、もし攻撃か何かを仕掛けてきたとしても負ける相手ではないと考え、自分の好奇心に従うことにした。
「これはイーゼルという」
 とことことイングリットがやってくると、待ちかねたように老人が言った。
「いーぜる?」
「ここにこうしてな……」
 言いながら、老人は鞄から一枚の紙を取り出してそのイーゼルに立てかける。横からイングリットがしげしげとその紙をのぞき込むが、ただの白い紙でしかない。
「何もかいてないから、面白くないぞ。真っ白だ」
 その言葉を聞いて、老人は軽快に笑った。
「ほっほ、これから描くのさ」
「これから?」
「これを見てみい」
 老人が四角い鞄を持ち上げ、膝の上にのせて開いた。そしてその中にあるものを見てイングリットは思わず声をあげる。
「わあっ」
 そこには色とりどりの絵の具がたくさん詰まっていた。赤、青、黄色に緑、名前を知らない色もある。
「すげえ!」
 目をきらきらさせているイングリットの横顔は、まるで無邪気な幼い子供そのものだった。
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39
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女性
誕生日:
1985/02/22
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音楽鑑賞
自己紹介:
ちゃんと小説を書きたいと思っています。
納得できるものが出来るようにがんばります。
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